5設計・施工
設計事務所の選定と決定を行うまで
どのタイミングで、建物や内装の設計を依頼するか、対象となる案件で違いがございます。特にビルや店舗のテナント案件の場合、給排水設備・電気容量・防災や警備など制約によって検討していた案件が診療所として向かないものもございます。最近では、建物の築年数によって、耐震性やアスベスト問題が発生する場合もあります。配置計画を含めて、医院開業の適合性を判断する為に、設計士に早くから依頼する場合も多くなっています。ドクターのイメージを図面やデザインにまとめ、コストも念頭にいれてくれる方がベストな選択になってくると思います。そのためには、医院建築や医院内装の経験があり、ドクターの話をよく聞いてくれる方をお勧めします。患者さんやスタッフ動線の配慮、医療器械の選定時のアドバイス、工事やインテリアの提案など、医院の開業準備で様々な場面に登場してきます。開業に係る中でご紹介もあるでしょうが、実際に担当された物件をみられ、決定されてください。
施工会社の決定をします
物件の入手や建貸等の特別な事情がない限り、設計事務所の紹介や工事(施工)実績で選定するのが良いのではないでしょうか?2~3社で見積の上、事業計画や設計士のアドバイス等(基本的にはコストダウン)参考にしながら、決定していきます。工事費用の支払い条件も選定の項目と考えています。通常の支払い方法としては2~3分割でしょうが、一部の着手金と工事完成後に残金支払いという方法もございます。医院開業においては、建築や内装工事費用が一番大きな金額になりますから、支払方法は十分に考慮・検討をしてください。施工会社の決定と同時に工事期間のスケジュールも提示頂くことになります。開業予定にあった工期を取っているか、検査や手直し等の余裕はあるのか、器械の搬入やスタッフの研修に間に合うように準備出来るか、電子カルテやレセコンの設置もある為、電話工事、セキュリティ工事が早めに出来るかもチェックしてください。
開業スケジュールの再確認をします
前項で施工会社より工事期間の確認をしたら、詳細なタイムスケジュールを作成にて関係者(今回の医院開業に関係する担当者全員)に渡して説明をします。工事の開始時期から始まり、医療器械に関係する電気設備や給排水工事の時期、電話工事の可能な時期、電子カルテやレセコンの設置・設定作業の日程、採用スタッフの募集・面接の時期、器械や備品の搬入予定時期など、関係者の意見を聞きながら日程を決めていきます。関連する業者同士の打合せも十分に行うよう説明も大事になります。戸建の建物や新築ビルの場合は、建物の完成後に外溝工事(駐車場やフェンス、植栽等)がありますので、搬入やサイン工事等に影響が出る場合がありますので注意が必要です。天候に影響されて工事が遅れたり、搬入や納品時に車が入れられないとかあったりします。
※特に開業一ヶ月前は多くの業者が重なったりしますので、連絡・確認は十分に行うことを お勧めします。
近隣医療機関への挨拶
医師会に入る、入らないに関わらず近隣医療機関への挨拶回りは原則として行います。医師会に入った場合の同じ組の医療機関や同じ標榜科目の医院を選択します。回る順番としては、役職の先生や年齢を考慮して挨拶を行います。先方の立場から見た場合は、競合医療機関になる訳ですから、快い対応をしてくれるものではありません。しかし、ここでは紹介や連携を取ることもありますから、手土産を持って伺いましょう。
工事着工について
工事金額と支払い条件の確認が終われば施工会社を決定します。工事請負契約の締結になります。内装工事の場合にはないのですが、建物を新築する時には「地鎮祭(起工式)」を行う場合があります。施工会社が段取りをしてくれますから、家族やご両親に出席もらうのは良い機会となります。一種の儀式(祭事)になりますが、決して施工会社のサービスではございません。工事着工の段階にも近隣に挨拶に伺います。テナントの場合は同一フロアーや上下階のテナント、独立した建物では隣接したお宅には、顔を出されておかれるのが今後のために良いと思います。